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【前編】チーム力を向上させるために ~チアダンススピリットの中で~
2018年8月13日 10:00 AM カテゴリー: 【コラム】Stars Smiley Spirits
こんにちは、Stars Smiley代表の村田綾子です。今季、チアダンスをテーマとしたテレビドラマ「チア☆ダン」(TBS系)が放送中ですね。チームづくりの課題など、私も頷きながら毎週楽しみに観ています。
今回と次回の2回にわたって、チアダンスにおけるチーム力を向上させるために必要なこと、そして私たちのチームで実際に行われていることをお話したいと思います。チアスピリットとともに
そもそもチアダンスは、応援すること(チアリーディング)から生まれたものです。観に来ているお客様のことを応援する気持ちで笑顔で演技してほしいと思っています。
お客様が元気づけられて笑顔になると、演技している側も達成感と共に、チアをやっていて良かったと感じる、そんなウィンウィンの関係性を持てるのがチアの良いところです。
またチアは、ボランティア精神そのもの。人の役に立つことは目標のひとつです。そのためには、穏やかさが底に流れていることも必要です。
チアダンスは、心のありようが演技にそのまま出てくる競技でもあります。少しでもチーム内に、他人に対するマイナスの感情があると、演技に出てしまいます。
演技、心のありよう、ひいてはチーム全体をより良くするために、Stars Smileyのチアダンスチームでは、全員が「チアノート」を持っています。チアノートの活用
「チアノート」は、自分自身を向上させるためのものです。
- それぞれが目標をたて、目標に向けてなにをすべきか。そのために実践した事柄
- コーチや仲間から言われたこと
- 注意すべき点や反省点
- より良い演技のために必要なこと
などを記入していきます。
最初はノートの形式を教えますが、そのうち、自分なりの分かりやすい方法でノートをつくっていきます。自分自身で目標設定し、振り返り、記入することで、力になっていくのです。
また、ひとつの大会が終わると、それぞれのチームで反省会が行われます。
内容は・・・
- ジャッジシートを見ながら、演技面の課題を受けとめる
- 大会の中でどのように過ごしたかを振り返る
- 起きた出来事を問題化させ、どう解決していくか、自分で考える(指導者はそうできるよう促していく)
これらもまた、「チアノート」に記していきます。
ぶつかり合いは成長のために必要!
ところで先日、今年度はじめての大会が開かれ、あるチームで、ちょっとしたトラブルがありました。本番直前の最終確認の場でのことです。
AさんがBさんの動きについて「できていない」と指摘しました。
Bさんは言われたことをやりますが、またAさんに注意されます。
それが何度も続いたため、Bさんは怒って感情を爆発させてしまいました。
直前にトラブルがあったので、本番は、どことなくギクシャクした空気のまま演技が終了。その後、ふたりはそれぞれ「チアノート」に反省を書き、なにが良くなかったかを振り返りました。
この場合、極度の緊張におそわれたふたりが、それぞれ違った形で緊張を表現したことが遠因でした。
Aさんは言葉が足りず、想いがBさんに伝わっていませんでした。Bさんへの指摘は正論でしたが、緊張のため、強く言いすぎてしまいました。Aさんのノートには、「注意はしても良いけれど、相手を尊重すること」ということが書かれていました。
一方、Bさんは、寡黙にこつこつレッスンするタイプですが、注意を受けることに抵抗を感じることがよくありました。今回のトラブルのあと、「指摘に対して感謝すること」、「言われたことを理解したら理解したと言うこと」、「体が動かずうまくいかなかったら、そう伝えること」などを反省して振り返りました。
私はこの一連の出来事を、とても良いことだと感じました。
普段、感情をあまり表に出さないBさんは、このとき、珍しく気持ちを外に出したのです。
チアダンスにおいて「感情を外に出す」のは、とても大事。自分の内面を出すことで、より良い演技をすることにつながるからです。
また、自分を客観的に見ることで、成長することができます。なによりも良かったのは、これが年度のはじめの大会であったということです。大会ではなにかしらトラブルがつきものですが、こうした感情のぶつかり合いは、チームがこれからまとまっていくための力になります。
「チアノート」はこのように活用され、演技だけでなく、心の成長にもつながっていくものなのです。
次回は、具体的なチームづくりについての話です。
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