日常生活の中の運動、今昔物語。 ~あえて不便を取り入れよう~

さて今日は、そんな家の道具に見る日常生活の今と昔、それによる運動習慣の違いについてのお話です。
日ごろの家事や手伝いが運動に
高齢化が進み、高齢者と言われる方も元気に過ごしている姿をよく見かけます。みなさんは、今の20~30代の世代が70~80代になった時、今の70~80代の方と同じように元気でいられると思いますか?日ごろ、子どもたちのスポーツインストラクターをしながら、育児まっただなかにいる私の個人的な感覚からすると、同じように元気ではいられないだろうと思えてなりません。
かけっこ教室などで見ていても、最近の子どもは良く転ぶように感じます。
最新の研究では、30年前の子どもより現代の子どもの方が運動能力が劣っているという結果が出ています。
(参考:「子どもの体力向上」https://kodomo.recreation.or.jp/current/now/)
子どもの遊び場が少なくなった、習い事が増えて遊ぶ時間が減った、など色々な要因はあります。でもそれよりも、日常生活の中でのちょっとした運動の機会が減っていることも要因ではないかと私は考えています。
その一つが、家電や家具の進化および欧米化です。私が子どもの頃に多くの家庭で使われていたいろいろな家電を、今はあまり見かけなくなりました。
ダイヤル式電話、二槽式洗濯機(洗濯槽と脱水槽が分かれ、移す度に時間を設定する)などは、40代前後の方はすぐに思い浮かべることができるかもしれません。ほかにもダイヤル式テレビ、足踏みミシン、炊飯鍋、手動の洗濯脱水機などもありました。手や指、体全体を使う生活道具や家事は多くありました。
さらにさかのぼると、昭和の初期までは電器製品はほぼなく、ほとんどが手仕事でしたから、日常生活の中で運動量はとても多かったことでしょう。
現在は、全自動食器洗浄機、全自動洗濯乾燥機、ロボット掃除機なども登場し、生活はずいぶん便利で楽になってきました。 その気になれば、スマートフォンを使い、指一本で家電を動かせる社会になったのです。
便利な生活自体を否定するわけではありませんが、運動指導者の立場としては、このままでは、現代人の老後の体力がなくなってしまうことの方が心配です。
運動習慣の環境づくり「あえて、不便をつくる」

今の70歳以上の元気な方々のような動く体になるためには、幼児期から体を動かし、当たり前のように運動を楽しめるようにしておく必要があります。そのために私が提案したいのは「あえて、日常生活の中に不便をつくる」ということです。
4歳まで乗れるベビーカーは親子ともに便利な面がありますが、2歳過ぎたらあまり使わず、歩くようにしましょう。三輪車も、押し棒で親の進みたい方向に押すのではなく、本人の漕ぐ力をつけるため、ゆっくりな進みでも見守ってあげましょう。
また、お子さんに、体全体を使う手伝いを頼むのも良いと思います。
例えば・・・
- 郵便物を家庭用ポストに取りに行く
- 洗濯物を洗濯機から運んだり、干したりする手伝いをする
- 食器を手で洗い、布巾で拭く手伝いをする
日ごろ、体全体を使って重いものを持ち上げる習慣がないと、背筋が弱まり、歳を取ったとき、早いうちから体が動かなくなってしまいます。
昔の生活から良い部分を取り入れる

幼少期の日常の運動習慣はもちろんですが、筋力が衰えはじめる40代に運動習慣をつけておくこともお勧めします。マラソンや筋力トレーニングなどの運動を勧めるわけではありません。
例えば、和式トイレのスタイル。
いまは和式トイレはずいぶん姿を消してしまいましたが、実はトイレでしゃがむ姿勢は、背中の筋肉を鍛えることができます。トイレではなくても、同じしゃがむ姿勢を1日1回でもやることで、アキレス腱や背筋を鍛え、膝や腰も強くなります。
また、床掃除も、掃除機やフローリングワイパーをかけるばかりではなく、雑巾がけを積極的に取り入れてほしいと思います。
元気な老後を過ごすためにも、ぜひ「あえて不便を取り入れる生活」を心がけてみてくださいね。




