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【Stars Smiley Spirits】子どもの心を動かす言葉かけ~お子さまの行動に共感と肯定を~
2019年5月23日 10:00 AM カテゴリー: 【コラム】Stars Smiley Spirits
こんにちは、Stars Smiley代表の村田綾子です。
この5月は、平成から令和に年号が変わるという、とても大きな出来事がありましたね。みなさまは、どのようにこの節目の時をお過ごしになりましたか?
4月から新しい環境に変わったお子さまにとっては、5月も半ばを過ぎ、だいぶ生活にも慣れてきたころかと思います。
さて今日は、生活の中において、親御さんが「お子さまにかける言葉かけ」についてのお話です。お子さまの行動を肯定的にとらえた声かけを!
特に小さな2、3歳のお子さまに対して、例えば親の言うことを聞かない時、ぐずってなにもできなくなってしまったとき、出かけたいのに支度を早くしてくれないとき、つい厳しい口調で注意してしまうことはありませんか?
2、3歳になると、できることがだいぶ増え、時には一人前に口答えをすることもあるくらい言葉も達者になっているので、親からすると「できるのになぜやらないの」、「どうしてすぐにいやだ、と反抗するの」と思ってしまうことがあります。
けれど、言葉や行動ができるようになっていても、まだ2、3年しか生きていないお子さま。やりたいと思っても身体や心がついていかないものです。
支度が遅いとき、「早くしなさい」とお子さまに言ってしまう親御さんは少なくないと思います。でも、これを前向きな言葉に替えるだけで、お子さまが自分で動きやすくなります。
例えば、「さあ、どんどんやってみよう~!」などと、明るく声をかけてみるのです。楽しい気持ちになって、支度も進むかもしれません。
また、転んだときには「痛かったね」という共感ももちろん必要ですが、「痛い」という言葉を使うことによって「自分は痛いんだ」と思い込んでしまう側面もあります。
- 「痛い」ではなく、「びっくりしたね」という言葉で共感を!
- 泣いていても、すぐ抱っこではなく、「大丈夫! がんばれるよ」と励ましを。
親御さんが前向きな気持ちでとらえることで、お子さまも前向きになることができるものです。そして、自分で立ち上がれたら「すごいね!」と、お子さまの行動を肯定する言葉をかけてみましょう。マイナスの出来事があっても、すぐに気持ちを切り替えられるかどうかは、親御さんの言葉かけ次第なのです。具体的な言葉かけを
別のシチュエーションも考えてみましょう。公園などで遊び、帰る時間になっても、お子さまは遊びに夢中で帰りたくないとき。こんなとき、「帰るよ」と声をかけても、なかなかお子さまの心には響きません。
- 「あと〇回滑ったらおしまい」
- 「あと5分で帰るから、それまで思いっきり遊んでね」
小さなお子さまは特に、「初めて」に出会うとなにをするのか分からない不安から、泣いてしまうことがあります。2、3歳で習い事を始めるお子さまも多いと思いますが、そんな不安な気持ちを受け止め、先生や親御さんは、前向きな言葉かけをする必要があります。
見通しを付けやすくするために・・・- まず、〇〇をやります。
- 次に、〇〇をやります。
- 〇〇をやったら、お迎えだよ。
3歳までに前向きな言葉かけをできるだけ多くしましょう。そして、お子さまの「前向きな土台」を作ってあげましょう!親の姿勢は子どもに伝わる
チアダンスでは、チームワークを良くするために互いにダメ出しをします。そんなとき、子どもたちの様子を見ていると、上手に言葉かけができるお子さまは、ご家庭でも親御さんから前向きな言葉をかけられていることが多いように感じます。
例えば、にぎやかな環境に慣れ、周囲をにぎやかにするのが好きなお子さまと、静かな環境に育ち、静かな方が落ち着くというお子さま。2人は互いに苦手意識を抱き、親御さんに相談するとします。そんな時に「あの子とはあまり合わないよね」と話を聞くのと、「いいところを見つけてごらん」、「しゃべってみたら、共通の趣味もあるかもしれないよ」と話をするのでは、お子さまに伝わるものが全く違うものになってきます。
チームで高め合おうとするとき、ケンカをすることもあります。「苦手だから付き合いたくない」とお子さまが感じたときに、周囲の大人はそのまま容認してはいけません。相手を受け入れるよう、言葉かけをしてほしいのです。自分の子を受け入れて理解するのはとても大切ですが、「負」の気持ちまで容認すると、お子さまは親から言われたことは正しいと感じ、そのようになってしまうものです。
また、チアでは家庭での練習や振付の確認をするのはとても大事なのですが、ここでも親御さんの言葉かけの仕方によって、練習への姿勢や取り組みが変わってきます。
「練習しなさい。レッスンができなくなるよ」と、脅すような言い方で練習を促すケースと、「やってみたら、大会の結果が違ってくるかもしれないよ」と先のことを見て練習を促すケース。
前者は「親に言われたからやる」という後ろ向きな姿勢になり、後者は「頑張ったから結果が出た」と、自分のがんばりを認める前向きな姿勢になると感じませんか?
言葉かけ一つで、大会の後の達成感までもが違ってきます。
子どもたちは「なにかあったら、仲間に声かけをしていく」と意識してチアノートに書いたりもしますが、では具体的にどのように伝えるの?と聞くと、具体的にどのように言えばよいかは分からなかったりします。
そんなとき、私たちの教室では、子どもたちが自分たちで考えられるようにコーチは具体的なシチュエーションを想像させ、一緒に考えます。
- チームに初めて入る子がいたら、まず何を教える?「ハイと返事すること」「笑顔で返事をする」
- 言い合いがあったらどうする?「どうしたの?と聞く」「先生に助けを求める」
- 疲れていたら「あと少しだからがんばろう!」
シミュレーションをしていくうちに、具体的な言葉かけができるようになっていきます。小学校高学年であってもまだ体験が少なく、頭で分かっていても実践は難しいものです。自立のために、このように細かい手助けは必要になります。親自身が前向きになるために
子どもたちは、いずれ親の元を離れ、新しい社会に一人で出ていかなければなりません。親ができるのは、そのときにたとえつまずいたとしても自分で切り替えて前へ進む力をつけられるよう、サポートすることではないでしょうか。
そのためには、親御さん自身が前向きに元気でいられることが大事です。性格的に前向きになりにくい親御さんもいらっしゃることでしょう。それでも、日ごろの疲れやストレスなどは、なるべく「自分時間」を作って発散していくことをおすすめします。
私の場合は、温泉が好きなので、時間を作って温泉に出かけたりします。周囲に子どもを見てくれる大人がいたら、一人で好きなところに行ってしまうのも良いと思います。
なにか問題が起きたとき、親御さんが気持ちを前向きに切り替えて進む姿を子どもたちに見せられたら、子どもたちにとって、大きな力になることでしょう。
★★★「Stars Smiley Spirits」バックナンバーも、ぜひご覧ください★★★
★1 かけっこの基本とは!? Stars Smiley流かけっこ教室のポイント。
★2 スキンシップの重要性。運動習慣は、生まれたときから。
★3 ボールひとつで無限大! 乳児期からはじめられる「家庭でできる運動あそび」のススメ!
★4 運動能力は、遺伝ではありません。
★5 はだしで遊ぼう! 五感の刺激で創造性豊かに。
日本女子体育大学卒業大学卒業後、テーマパークでシンガー・ダンサーで活躍。未就園児の親子体操「ベビーチア」発案。日本チアダンス協会インストラクター、USAチアダンス協会インストラクター3級、幼児体育協会インストラター、新浦安RAINBOW SMILEY、幕張インターナショナル、スクール「Dolphins」、たまプラーザStars Smiley、恵比寿Stars Smiley、デイレクター兼チーフインストラクター 現在、チアダンス・ベビーチア、幼児体操、障がい児体操、スポーツの家庭教師、インストラクターとして活動。