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チアダンスを通して学ぶ ~“人としての品格”と感謝の心~
2018年10月11日 10:00 AM カテゴリー: 【コラム】Stars Smiley Spirits
こんにちは、Stars Smiley代表の村田綾子です。
さて、今日のコラムは、チアダンスを指導している私自身が大事にしていることであり、Stars Smileyとしても大事にし、子どもたちに伝えていることを紹介したいと思います。
それは「人としての品格」と、感謝の心を大切にしたい、ということです。
どんなにチアの演技が優れていても、その人自身、そのチーム自体に品位がなければ、演技の良さはかすんでしまいます。大会などで見回すと、強いチームほど、いろいろなことがきちんとしています。そこに、トップチームの自信とふるまいを感じます。人と物を大切にしたい
「品格」を言葉にするのは難しいのですが、いくつか、具体例を挙げてみましょう。
①チアの衣装に着替えるとき
たとえ幼児や低学年であっても、人がいるところで裸になって着替えるのは、恥ずかしいことです。また、下に衣装を着ているからと、人前でズボンを脱いでしまうのも良くありません。更衣室で着替えるべきなのです。着替えたものは、素早くたたみ、バッグにしまいましょう。
②荷物を置くとき
バッグのチャックが空きっぱなしだったり、まとめ切れなくて、バッグの周囲にバラバラに置かれていたり。その置き方は良くありません。
すべての持ち物をバッグにいれる必要はありません。水筒やタオルを使いやすいようにそばに出しておく。
レッスンの振り返りなどに使用するチアノートを、すぐに出せるところに入れておく。こうしてスムーズに動けるようにすることが大切です。
チアノートについては、字が乱れがちな子には、「数年後に開いても読めるようにしましょう」「人が読んで気持ちの良い字にしましょう」と伝え続けています。そのうちに、だんだん字が丁寧になっていきます。ご家庭でもひと声かけ続けていただきたいと思います。
③他者への思いやり、感謝を。
品格をもつ上で、最も大事なのは「感謝すること」ではないでしょうか。
チアでは、チームメートは互いにダメ出しをしながらより良い演技を目指します。ダメ出しをされたら、「ありがとう」という気持ちで「はい」と答えるのです。けれど、中には言いすぎてしまったり、自分はできていないのに相手に言ってしまったりしてしまい、ぎすぎすした空気になることもあります。
そんなときに私たち指導者は、自分が言われたかどう思うかを想像すること、思いやりをもって「明るく」言葉をかけることを伝えています。思いやりの花を咲かせる
私の好きな昔話に『花さき山』(斎藤隆介作、滝平二郎絵/岩崎書店)があります。
あやという女の子が山菜を採りに行った時、やまんばに出会います。
やまんばは、山にきれいに咲いている花を指して、
この花は、ふもとの 村のにんげんが、
やさしいことを ひとつすると ひとつさく。
あや、おまえの あしもとに さいている 赤い花。
それは おまえが きのう さかせた 花だ。
とあやに伝えます。
あやは、夏祭りのとき、自分はいいから妹に着物を買ってほしいと母親に頼んでいました。
おまえは せつなかったべ。
だども、この赤い花が さいた。
自分より人のことを思い、辛抱すると、その優しさが花になる、というのです。
体操教室やチアダンス教室で、私はこの絵本を子どもたちによく読み聞かせます。「人に思いやりの心で接するとき、良い行いをするとき、我慢するとき、きっと神様は見ているよ」と伝えるためです。
笑顔で周囲に元気を与えるチアダンスは、ボランティア精神そのもの。この絵本は、聞く子どもたちに、それをよく伝えてくれます。一緒に育て、一緒に成長したい
ところで、「思いやり」の心で相手に伝えているお子さんを見ると、親御さんも、やはり思いやりや感謝のこもった声掛けを、ご家族や周囲の人にしていることがあります。
ある方は、毎月のお月謝の時に一筆入れてくださいます。それを受け取ると、同じお金ではあっても温かい心が伝わってうれしくなります。
逆にこちらも、いつもご協力くださっていたり、お手伝いしていただく保護者の方にはことあるごとに感謝の気持ちを伝えます。
指導者と親御さんの間で感謝の気持ちを伝え合う姿勢は、子どもたちにも伝わります。お金を払って頂いている以上、指導者が結果を求められるのは当然ですが、ご両親の「人として素敵なふるまい」を子どもたちに見せてあげることも、チアダンスには大事な要素だと私は思うのです。
私たちはいつでもお子さんたちの将来を見据えて指導を行っていますが、親御さんから見て、厳しすぎると感じることもあるでしょう。でもお子さんたちはその指導を受け止め、自分なりにそしゃくし、それぞれ成長していきます。指導者たちも、その姿からたくさん勉強させてもらっています。
一緒にお子さんを育て、一緒に成長していきたい。
保護者の皆さまとは、そんな心持ちで、共にチアダンスに打ち込む子どもたちを支えていきたいと思っています。
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日本女子体育大学卒業大学卒業後、テーマパークでシンガー・ダンサーで活躍。未就園児の親子体操「ベビーチア」発案。日本チアダンス協会インストラクター、USAチアダンス協会インストラクター3級、幼児体育協会インストラター、新浦安RAINBOW SMILEY、幕張インターナショナル、スクール「Dolphins」、たまプラーザStars Smiley、恵比寿Stars Smiley、デイレクター兼チーフインストラクター 現在、チアダンス・ベビーチア、幼児体操、障がい児体操、スポーツの家庭教師、インストラクターとして活動。