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未就園児の跳び箱あそび~柔軟性&リズム感を身につけよう~
2018年9月16日 8:00 PM カテゴリー: 【コラム】Stars Smiley Spirits
こんにちは、Stars Smiley代表の村田綾子です。
セミの鳴き声の代わりに、秋の虫の音が聴こえてきましたね。学校や幼稚園では、秋の運動会のシーズンでもあります。
さて前回、未就園児のボールあそびの紹介をしましたが、今日は、未就園児シリーズ第2弾「未就園児の跳び箱あそび」のお話です。
いきなり跳び箱に手をついて跳ぶ、という練習は未就園児には難しいことです。そこで、一つ一つの動きのための小さな練習を積み重ねて、最終的に跳べるように導くことが必要になります。
私たちの体操教室では、このような流れで取り組んでいます。
- リズムの練習をして、跳び箱の感覚を知る。
- 高いところからジャンプして、高さに慣れる。
- 脚を開き、ジャンプするために段階を追って練習する。
- 助走して、ジャンプして、飛び乗る。
跳び箱はリズムの練習から
跳び箱は、実はリズムと密接な関係にあります。
助走、ジャンプ、手をついて、飛び乗る。
この一連の動きを体に覚えさせるために、私たちの体操教室では、まず、手でリズムを打つ練習から始めます。
- パン、パン、パンと両手で打つ
- 「走って走ってグーテーパ」と歌う
これは、私たちがやっている跳び箱のリズム練習の一部です。脚を揃えてジャンプすることを「グー」、手を跳び箱に乗せることを「テー」、ぱっと脚を開くことを「パ」と言います。
脚を揃えてジャンプすること、そして脚をしっかり開くことが、跳び箱では一番重要ですから、それを歌いながら手遊びして、身体に覚えさせる、というわけです。
次に、床に立ち、脚を閉じた状態(グー)から横に開く(パ)練習をします。脚をしっかり開くことができると、跳び箱に乗る時にも脚が開くようになります。
お尻を上げる練習、高さに慣れる練習
ところで跳び箱を跳ぶときには、お尻を高く上げる必要があります。
そこで未就園児の場合は・・・
- 四つん這いの「くまさん歩き」
- お尻を高く上げながら手をついてジャンプする「かえる跳び」
の順に、お尻を上げる練習をします。
「かえる跳び」は、跳び箱に手をついてジャンプする形と同じなので、跳び箱の練習にはピッタリです。
ご家庭では、少し高いところから床に飛び降りる練習をしましょう。まずは高さに慣れるためです。少し低めの椅子や台があればそこから、階段があるご家庭では1、2段目から、両足を揃えてジャンプで降りてみましょう。
可能でしたら、床から台や階段に向かってジャンプで上る練習もします。上る時も降りる時も、「膝を曲げること」が大事です。膝を曲げていないと、段が高くなった時にうまく跳べなくなってしまいます。
親御さんが丸まって小さな台となって、お子さまに手をついて乗ってもらう「馬跳び」も、親子のスキンシップをしながらできる良い練習ですね。スモールステップで達成感を
さあ、もうここまで練習すれば、跳び箱に飛び乗れるようになっています。
2歳くらいのお子さまの場合、まずは1段からはじめます。脚を開いて座り、ズリズリとお尻歩きをしてみましょう。「脚を開く」感覚に慣れていきます。自宅では、ピアノの椅子のように、細長い椅子があるとちょうど良いと思います。
今度は助走をつけて、跳び箱の手前で止まる練習です。ジャンプする位置に丸印などをつけて、助走からいったん止まってジャンプ、を繰り返します。
ジャンプできるようになったら、手をついて、跳び箱の上にひざ乗りを。その次に、かえる跳びのように、足の裏で跳び箱の上に乗ります。それができたら、いよいよ脚を開いて乗る練習です。手を跳び箱につくと同時に、脚を開いて上に座ってみましょう。
股関節が硬かったり、内股気味のお子さまは脚を開くのが難しいと思います。ストレッチをして股関節を柔らかくしていくと、徐々に開くようになってきますから、根気強くやってみましょう。
跳び箱は大きな道具を必要とするので、どこでもできるものではありませんが、柔軟性やリズム感が身につく優れた全身運動です。達成感をもてるように、スモールステップで進めていきましょう。
ご家庭での練習のほかに、児童館など、跳び箱がある施設に行って、あそびながら跳び箱に慣れていってほしいと思います。
★★★「Stars Smiley Spirits」バックナンバーも、ぜひご覧ください★★★
★1 かけっこの基本とは!? Stars Smiley流かけっこ教室のポイント。
★2 スキンシップの重要性。運動習慣は、生まれたときから。
★3 ボールひとつで無限大! 乳児期からはじめられる「家庭でできる運動あそび」のススメ!
★4 運動能力は、遺伝ではありません。
★5 はだしで遊ぼう! 五感の刺激で創造性豊かに。
日本女子体育大学卒業大学卒業後、テーマパークでシンガー・ダンサーで活躍。未就園児の親子体操「ベビーチア」発案。日本チアダンス協会インストラクター、USAチアダンス協会インストラクター3級、幼児体育協会インストラター、新浦安RAINBOW SMILEY、幕張インターナショナル、スクール「Dolphins」、たまプラーザStars Smiley、恵比寿Stars Smiley、デイレクター兼チーフインストラクター 現在、チアダンス・ベビーチア、幼児体操、障がい児体操、スポーツの家庭教師、インストラクターとして活動。