【後編】発達が気になるお子さま向けの 体操プログラム

こんにちは、Stars Smiley代表の村田綾子です。
今日は前回に引き続き、発達障害(自閉症スペクトラム、ADHD≪注意欠陥・多動性障害≫など)やその傾向のあるお子さま、発達がゆっくりなお子さま向けの体操プログラムについてのお話です。
前回のコラムで、レッスン時の具体的なやり方をお伝えしましたが、今回は、生徒さんの変化、そして私自身のこのプログラムにかける思いをお伝えします。

レッスンを長く続けているうちに、指示を待つことが苦手だった生徒さんも、指示を聞いて動くことができるようになってきます。繰り返しやることで、身についてくるのです。
発達障害のお子さまは、健常(定型発達)のお子さまより、ゆっくりと成長していく傾向があるので、幼児期だけ体操教室に通うのではなく、就学しても続けた方が効果が表れます。特に3、4年生は、体もしっかりしてくるので、体操が楽しいと思えるようになってきます。そうなるまで、続けてほしいと思っています。
小学5年生から始めた自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)のある生徒さんは、最初はこだわりが強く、「やりたくない」と直前にやめたりするところがありましたが、できたところを、その生徒さんのいるところで親御さんに伝えると嬉しそうだったので、少しでも良いところを見つけては褒めていくことを繰り返していきました。
この生徒さんに、あるとき、学校の体育でやる種目を体操教室で事前に教えました。その後、体育の授業でも上手にできるようになったので、「先生がとても喜んでいた」と嬉しそうに伝えてくれました。
このように、学校の行事や授業に合わせて、体育の種目、ソーラン節などの踊りや、組体操などをみんなでレッスンすることもあります。組体操などをやるための筋力がないお子さまは、手押し車などで体幹を鍛えたり、筋力をつける運動をしてから、取り組んでいきます。
説明する時には、なるべくかみ砕いた言葉で、簡潔に一つ一つ区切って説明します。この説明の仕方は、小さな子に対して、強い口調で一見ぶっきらぼうに見えますが、小さな子ほど、簡潔な説明の方が耳に入ってくるものです。
それから、なにかをやっているときに話しかけない。大人でも、何かに取り組んでいるときに「あれもやってね」「これはやったの?」などと言われると集中が途切れるものです。
このように、発達障害の生徒さんたちと接することを通して、すべての人に対して「配慮」することの大切さに気が付かされます。

通常の体操教室で、きちんと座ったりするのが苦手で、自由に歩き回るのが好きなお子さまとかかわることがあります。親御さんが、そのお子さまの特性を認めておらず、「もっとしっかりしてほしい」とかかわっているときは、少し残念に思っています。
「自分がきちんとできない」から、先生や親御さんに怒られる、友達にも嫌な顔をされると、そのお子さまは言うのです。
「きちんとする」の意味が分からず、どうしてよいかわからないようでした。こういう場合は、「きちんと」という漠然とした指示ではなく、なにをどうするのか、具体的にに指示を出す必要があります。
表現のしかたが分からないため、理解できないときには笑ったりひっくり返ってごまかしたりすることもありました。そんなときには、「(指示が)分からなかったら、分からないと言っていいんだよ」と伝えています。
発達障害の診断を受けている、いないにかかわらず、生きにくそうにしているお子さまがいたら、周囲の人は、その特性を認め、受け入れて、サポートする必要があるでしょう。集団生活においては、一人への丁寧な指導は、すべてのお子さまにとって丁寧で分かりやすい指導になるはずです。
幼少期に発達障害と診断されると、生活習慣や学習などを支援する「療育」を受けるケースが多いのですが、スポーツもそれと同等に、発達の仕方がでこぼこのお子さまに有意義な分野であることはあまり知られていません。
多動の傾向があるお子さまは、「止まる」ことが苦手です。でも「止まる」のも運動の一つで、伝達がうまくいくようになると、「止まる」ことも可能になってきます。全身運動は、脳への刺激という点でも効果的だと私は考えています。
細々とした活動ではありますが、発達の偏りなどで生きにくさを感じているお子さまを、スポーツの面でサポートし続けていきたいと思っています。
20年前から、障害のあるなしにかかわらずミュージカルやダンスを楽しむ団体(わくわくキッズミュージカル)に、個人としてかかわっています。一緒に楽しく活動するのが当たり前になってくると、「障がい者」を特別で、助けるべき存在としてとらえることには少し違和感を覚えます。
特にチアをやっている子たちには、「知ってほしい」「応援してほしい」「情報をもって、接してほしい」、そしてできれば「一緒に楽しんでほしい」と願っています。
今日は前回に引き続き、発達障害(自閉症スペクトラム、ADHD≪注意欠陥・多動性障害≫など)やその傾向のあるお子さま、発達がゆっくりなお子さま向けの体操プログラムについてのお話です。
前回のコラムで、レッスン時の具体的なやり方をお伝えしましたが、今回は、生徒さんの変化、そして私自身のこのプログラムにかける思いをお伝えします。
子どもたちの成長

レッスンを長く続けているうちに、指示を待つことが苦手だった生徒さんも、指示を聞いて動くことができるようになってきます。繰り返しやることで、身についてくるのです。
発達障害のお子さまは、健常(定型発達)のお子さまより、ゆっくりと成長していく傾向があるので、幼児期だけ体操教室に通うのではなく、就学しても続けた方が効果が表れます。特に3、4年生は、体もしっかりしてくるので、体操が楽しいと思えるようになってきます。そうなるまで、続けてほしいと思っています。
小学5年生から始めた自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)のある生徒さんは、最初はこだわりが強く、「やりたくない」と直前にやめたりするところがありましたが、できたところを、その生徒さんのいるところで親御さんに伝えると嬉しそうだったので、少しでも良いところを見つけては褒めていくことを繰り返していきました。
この生徒さんに、あるとき、学校の体育でやる種目を体操教室で事前に教えました。その後、体育の授業でも上手にできるようになったので、「先生がとても喜んでいた」と嬉しそうに伝えてくれました。
このように、学校の行事や授業に合わせて、体育の種目、ソーラン節などの踊りや、組体操などをみんなでレッスンすることもあります。組体操などをやるための筋力がないお子さまは、手押し車などで体幹を鍛えたり、筋力をつける運動をしてから、取り組んでいきます。
指導法を通常レッスンにも活用
こうして一人一人に向き合って配慮しながら行う指導法は、その後、普段のチアや体操教室でも活用されるようになりました。説明する時には、なるべくかみ砕いた言葉で、簡潔に一つ一つ区切って説明します。この説明の仕方は、小さな子に対して、強い口調で一見ぶっきらぼうに見えますが、小さな子ほど、簡潔な説明の方が耳に入ってくるものです。
それから、なにかをやっているときに話しかけない。大人でも、何かに取り組んでいるときに「あれもやってね」「これはやったの?」などと言われると集中が途切れるものです。
このように、発達障害の生徒さんたちと接することを通して、すべての人に対して「配慮」することの大切さに気が付かされます。
子どもを認め、サポートしてほしい

通常の体操教室で、きちんと座ったりするのが苦手で、自由に歩き回るのが好きなお子さまとかかわることがあります。親御さんが、そのお子さまの特性を認めておらず、「もっとしっかりしてほしい」とかかわっているときは、少し残念に思っています。
「自分がきちんとできない」から、先生や親御さんに怒られる、友達にも嫌な顔をされると、そのお子さまは言うのです。
「きちんとする」の意味が分からず、どうしてよいかわからないようでした。こういう場合は、「きちんと」という漠然とした指示ではなく、なにをどうするのか、具体的にに指示を出す必要があります。
表現のしかたが分からないため、理解できないときには笑ったりひっくり返ってごまかしたりすることもありました。そんなときには、「(指示が)分からなかったら、分からないと言っていいんだよ」と伝えています。
発達障害の診断を受けている、いないにかかわらず、生きにくそうにしているお子さまがいたら、周囲の人は、その特性を認め、受け入れて、サポートする必要があるでしょう。集団生活においては、一人への丁寧な指導は、すべてのお子さまにとって丁寧で分かりやすい指導になるはずです。
幼少期に発達障害と診断されると、生活習慣や学習などを支援する「療育」を受けるケースが多いのですが、スポーツもそれと同等に、発達の仕方がでこぼこのお子さまに有意義な分野であることはあまり知られていません。
多動の傾向があるお子さまは、「止まる」ことが苦手です。でも「止まる」のも運動の一つで、伝達がうまくいくようになると、「止まる」ことも可能になってきます。全身運動は、脳への刺激という点でも効果的だと私は考えています。
細々とした活動ではありますが、発達の偏りなどで生きにくさを感じているお子さまを、スポーツの面でサポートし続けていきたいと思っています。
20年前から、障害のあるなしにかかわらずミュージカルやダンスを楽しむ団体(わくわくキッズミュージカル)に、個人としてかかわっています。一緒に楽しく活動するのが当たり前になってくると、「障がい者」を特別で、助けるべき存在としてとらえることには少し違和感を覚えます。
特にチアをやっている子たちには、「知ってほしい」「応援してほしい」「情報をもって、接してほしい」、そしてできれば「一緒に楽しんでほしい」と願っています。