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【発達の気になるお子さまの体操教室】 ~ひとりひとりの個性を大事にしながら
2021年3月3日 10:00 AM カテゴリー: 体操教室
こんにちは、Stars Smiley代表の村田綾子です。 暖かい日が増えてきて、春がすぐそこまで来ていますね!体を動かすのが大好きな私としては、春はうれしい季節です。 さて今回は、Stars Smileyが大切にしている活動の一つ、「発達の気になるお子さまの体操教室」のご紹介をしたいと思います。 発達が気になるとひとことで言っても、多動だったり、あちこちに好奇心が向いてひとところに集中しにくかったりするADHDや、他者とのコミュニケーションが不得意な自閉症スペクトラム(ASD)、発達性協調障害、医師から明確な診断は受けていないものの、発達が気になるお子さまなど、人によってもっている特性は異なります。 私たちの体操教室は、「体操の専門家」であるコーチが、ひとりひとりの特性や個性をよく見ながら対応し、指導していくものです。 発達障害の専門家ではありませんが、すべての指導者が様々な点に配慮しながら支援することで、それぞれのお子さまが運動習慣を身に着け、健康に、そして自信をもって生活できるようにとの願いをもってかかわっています。 次項から、具体的なレッスン内容をお伝えします。環境づくり
前の項でも触れたように、教室に来るお子さまの特性はさまざまです。 体を動かすのが大好きなお子さまのために、室内にトランポリンやボールが置いてあり、レッスン前には自由に遊んでよいことになっています。 また、キラキラしたものや、文字・数字が気になってしまうお子さまのために、鏡や光るもの、文字・数字が書かれた紙を隠したり外しておきます。なるべく、目から入る情報が少ないシンプルな部屋づくりを心がけています。レッスンの流れ
1.ホワイトボードで、流れを説明
レッスンが始まると、まずはじめにホワイトボードを使って、その日のレッスンを一つ一つ説明していきます。
「はじめに、〇〇をします。次に〇〇をします。そして〇〇をします。最後に〇〇をして終わります」というように、なるべくシンプルに伝えていきます。
いつもと異なることをするときには、はじめに話しておきます。
2.準備運動
模倣体操を行います。模倣ができるよう、できるだけゆっくりとコーチは体を動かしていきます。
2分間、室内を走り回ります。
3.基礎運動
「指示と模倣」で行います。最初は指示と模倣どちらも行いながら運動しますが、慣れてきたら「指示」だけで運動をしていきます。
例えば、「くまさん歩きで壁まで行って、うさぎ跳びで帰ってくる」など。一緒に動きながら、二つの動きを続けて行います。
4.リズムトレーニング
音に合わせて、足を「グーパー」「グーグー」と閉じたり開いたり、両足で線を踏まないように跳んだり。毎回取り入れていくことで、だんだんとスムーズにできるようになってきます。
5.ダンス
1年をかけて1曲の振りを覚えていきます。
ディズニーなど、耳になじみのある曲などを使いますが、ダンスは好きになるお子さまが多いように思います。
6.なわとび
それぞれのレベルに合わせ、ひとりひとり丁寧にやっていきます。
7.今日の体操
それぞれの課題や好きなものに合わせて、鉄棒、サーキット運動などを行います。学校の授業でやっていることを取り入れることも。
最後に、ボール遊び、ゲームをして終了です。
ゲームは、しっぽとりやドッヂボールなど。遊びながら体を使うので、効果的です。
Stars Smileyのこだわり
Stars Smileyの体操教室は、基本的には体操の専門のコーチが分かりやすく教えることが特徴です。 きちんと発達障害のあるお子さまの指導は勉強しているわけではありませんが、コーチたちは、支援の専門家の話を聞く機会を定期的に行い、発達障害のあるお子さまの体操指導としては、20年の経験があります。 専門的な勉強はしていないものの、かえって型にはまることなく、「体操の専門家から見て」、目の前のお子さまそれぞれに必要な筋力アップトレーニングを指導することができるというのは、私たちの”こだわり”ともいえるのでないでしょうか。 少人数で指導を行うのも、私たちが心がけていることです。 最大で5、6人のクラスで、数人のインストラクターがほぼ1対1で指導を行っていますので、よりきめ細かな指導ができていると自負しています。サポートもしやすく、家庭的な雰囲気でかかわることができます。 「楽しく運動する」、だけど「やれるだろうから、やらせたい」との思いで、今持っている力の少し上を目指しています。それによって、達成感だけでない何かを得ることができると思っています。 スタッフは時に優しく、時に期待をもって厳しく、「親のような距離感」をもって接しています。ダンスサークル立ち上げ、行政との連携
発達障害のあるお子さまへの体操指導に関して、これまでの活動をご紹介します。 スポーツの家庭教師時代から、発達障害のあるお子さまを対象としたダンスサークル「チーム☆MAJIスエット」を親御さんと一緒に立ち上げました。この活動はもう20年になります。 自治体と連携して行っている活動もあります。 浦安市との連携は10年になります。最初は市から依頼を受け、月に1回、発達障害のあるお子さま向けの運動の指導を行うようになりました。 それは現在も続いています。 教室での参加ではなく、スポーツの家庭教師をしながら指導しているお子さまもいます。水泳や学校体育の補習的なものまで、複数のご依頼を受けています。 対象となる年齢は、幼稚園年少さんからお小学6年生までですが、ダンスサークルや体操サークルなどでは、中学生や成人もいらっしゃいます。ご利用者様ご家族の声と、今後の展望
ご利用者のご家族から届いた声の一部をご紹介しましょう。- 人の話を聞けるようになった。
- 学校での活動がスムーズになった。
- 体操が得意になった。
- 学校で先生や友達にほめられることが増えた。
- 運動が習慣づいてきた。
★★★「発達の気になるお子さま向け体操教室」については下記バックナンバーでもお伝えしております。★★★
【前編】発達が気になるお子さま向けの体操プログラム
【後編】発達が気になるお子さま向けの体操プログラム日本女子体育大学卒業大学卒業後、テーマパークでシンガー・ダンサーで活躍。未就園児の親子体操「ベビーチア」発案。日本チアダンス協会インストラクター、USAチアダンス協会インストラクター3級、幼児体育協会インストラター、新浦安RAINBOW SMILEY、幕張インターナショナル、スクール「Dolphins」、たまプラーザStars Smiley、恵比寿Stars Smiley、デイレクター兼チーフインストラクター 現在、チアダンス・ベビーチア、幼児体操、障がい児体操、スポーツの家庭教師、インストラクターとして活動。